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映画の感想つらつらと。

2023年ベスト映画10選

2023年の総括です。

 

昨年の暮れから書き始めたブログも約1年が経ちました。今日まで52件、今年は39件記事を書いています。ブログに残す基準は特に決めていないのですが、新旧作問わず、心が猛烈に震えたときにザザーっと書き殴っています。なので大体はめっちゃ好きかめっちゃ合わなかったかのどちらかになっているはずです。稚拙な文章ですが、それでも色々な方にご覧いただいて、たまに星も付けてもらったりもして、非常にありがたいです。ほぼ備忘録みたいな扱いにしてますが、今後も気軽に足を運んでいただけると嬉しいです。

 

さて、今年もたくさん映画を観ました。劇場、配信、配信映画の劇場公開、劇場公開映画の配信。「新作は映画館で観るもの」という認識を特に変えさせられた1年でした。ちなみに今年は51本の新作映画を鑑賞しました。

 

RRR

ファミリア

そして僕は途方に暮れる

アントマン&ワスプ:クアントマニア

別れる決心

エゴイスト

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

レジェンドアンドバタフライ

シン・仮面ライダー

長ぐつをはいたネコと9つの命

The son -息子-

マッシブ・タレント

ダンジョンズアンドドラゴンズ

AIR / エア

ザ・ホエール

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3

ゴーステッド

TAR / ター

aftersun / アフターサン

渇水

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

ザ・フラッシュ

イニシェリン島の精霊

怪物

クロース

映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐

映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン

ミッション:インポッシブル / デッドレコニング PART ONE

ニモーナ

バービー

マイ・エレメント

ハート・オブ・ストーン

ジョン・ウィック:コンセクエンス

沈黙の艦隊

87分の1の人生

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン

フローラとマックス

白鍵と黒鍵の間に

ザ・クリエイター -創造者-

キラーズオブザフラワームーン

ゴジラ -1.0

マーベルズ

フィンガーネイルズ

ナポレオン

ザ・キラー

仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦

Saltburn

フェアプレー

ウーマン・トーキング

 

この中から2023年ベストとして10作品を選出します。中でもトップ3までは順位をつけました。

 

1.aftersun / アフターサン

2.シン・仮面ライダー

3.クロース

(以下順不同)

・そして僕は途方に暮れる

・The son -息子-

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3

ゴジラ -1.0

・ナポレオン

仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦

・Saltburn

 

各作品のコメントです。過去に投稿した記事のリンクも貼ったので合わせてお楽しみください。

 

aftersun / アフターサン

これは劇場で観た時から年間ベストは揺るがなかった。少女の思い出。父との別れ。淡い情景の中に混ざる悲しみは黒く、深く、苦い。脳裏に焼きついた残像からしか確かめることのできない答え合わせに終わりはなく、それが鑑賞後もしばらく余韻を感じさせる絶妙な体験だった。

 

シン・仮面ライダー

仮面ライダー好きの琴線に触れた意欲的な作品。決して上質な作りではないものの、映画作りにかける思いがスクリーンから強く伝わってきた。センセーショナルでキレのある、しかし幕引きは爽やかに。ソリッドでありエモーショナル、まさに現代の仮面ライダーにまで通ずる精神が感じられた。どっぷり沼に浸かったオタクはテレビシリーズを追っているとどうしても1年間のロードマップを頭に浮かべたり偏った見方をしてしまうものだが、本作は完全新作、単作完結作品として私があの頃味わった興奮や感動、テレビに釘付けになるような感覚を思い起こさせてくれた。

 

クロース

主人公の少年を追い続けるようなカメラワークと心情を写しとるようなショットが見事。親友の死に対する喪失と後悔に少年がどう向き合っていくのか、また主人公の周囲の人々が悲しみをどうケアしていくのかが丁寧に描かれている。親友のとった行動にショックを感じずにはいられないが、残された人々の辛い現実と折り合いをつけていく過程が時間をかけて紡がれており、非常に現代的な作品だと感じた。亡くなった親友の母親と主人公の対峙、そしてその後の彼の力強い眼差しが今でも印象に残っている。

 

そして僕は途方に暮れる

映画の内容は全く予想していなかったものだったが、とにかく主人公を演じた藤ヶ谷太輔の演技に圧倒された。他力本願で面倒は絶対ご免。そんな主人公の痛さに苦笑するが、妙な真実味も感じてしまう。決して都合の良い展開にはならない彼の顛末は至極当然と思いながら、それでも「まだイケるぜ、俺」的な薄ら笑いを浮かべて夜の繁華街に消えるラストには思わず高揚してしまう。偶然にも映画を観ていたTOHOシネマズ新宿が作品の中でばっちり登場していたことも鑑賞体験に一役買っていたと思う。

 

The son -息子-

先に挙げた『アフターサン』や『クロース』と同様、身近な人の喪失を扱った作品。タイトルの通り親、特にヒュー・ジャックマン演じる父親を中心とする3つの家族。それらを通して見える彼の理想とする父親像と乖離した現実。坂道を転がるボールのように事態は悪化し、逃れられない結末にはひどく胸を苦しめられた。内容はかなり重く、後味が良い映画でもないが、堅実で真面目な姿勢が好印象。

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3

MCUの熱狂もピークを過ぎ、飽和状態を迎えたアメコミ映画市場。新たなるトレンド・マルチバースに作り手自身が翻弄され、一貫性の感じられないシェアユニバース作品に辟易する昨今、1作目から変わらないテーマで描かれたガーディアンズの綺麗な幕切れにいたく感動した。『vol.1』『vol.2』『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム 』『アイ・アム・グルート』そして『ホリデースペシャル』。銀河の守護者たちの戦いは長きに渡って続いた。作品ごとに異なるキャラクターに焦点を当て、振り返れば全員が愛すべき存在へと生まれ変わっていた。そして最後の主役がロケット・ラクーンである。明かされた壮絶な過去と凶悪なヴィランの存在。憎き相手への徹底的な復讐は爽快感に溢れていた。そして、いつも通りのポップなグルーヴを忘れずに、守護者としての使命を果たす勇姿に胸を打たれる。

 

ゴジラ -1.0

初めてドルビーシネマで鑑賞した映画がこのゴジラだった。なんとなくの思い付きだったのだが結果としては英断だったと思う。夜中の大豆島戦から滾る戦い。特攻兵敷島の心を容赦なくえぐるゴジラ。青年と大怪獣の熾烈な争いに息を呑んだ。戦後の日本、銀座に炸裂したゴジラの熱光線は畏怖を覚えるほど恐ろしい惨劇に写り、続く敷島の慟哭は作中一の迫力に溢れた名場面だった。ゴジラはもちろん、ゴジラに抗う人々の姿にも心震え、席から立ち上がりそうになるくらいの興奮を味わうことができた。

 

ナポレオン

今年の公開映画の中で期待値の高かった一作。『最後の決闘裁判』と似た精細な装飾美術と大スクリーンにふさわしいスペクタクルに終始のめり込まれた。壮大な映像とは裏腹に、ナポレオンの凡庸な姿が滑稽に映し出され、そのコントラストが面白い。最後の最後まで掌握することができなかった愛妻ジョゼフィーヌもまた魅力ある人物で、2人の付かず離れずの関係は彼らの歪な性質をよく表していたと思う。

 

仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦

テレビシリーズの劇場版が年間ベストに上がることはまず無いと言っていいのだが、秋から放送が始まったガッチャードがとんでもないくらい面白く、見事冬映画も10選に食い込んだ。現行ライダーがどれほど面白いかというと、普段おもちゃを買わない私がガッチャードライバー、エクスガッチャリバーを買ってしまうくらいで、ライドケミートレカを現在進行形で集めているくらいにハマっている。何より主人公の一ノ瀬宝太郎が眩しいくらいに明るい青年で、彼の突き抜けた正義感に親心で応援したくなるような可愛さがある。本作はそんなガッチャードの良いところが存分に詰まっており、今年のライダーはコレだ!と簡潔にまとめられた良いパッケージングである。

 

『Saltburn』

流石のバリー・コーガンコダックの味わい深いカラーも相まって初めは恋愛映画かと思って観ていたらまさかの展開に仰天。シニカルなタッチで描かれたサスペンス。最初から富豪の財産を略奪することしか頭になかったオリバーの狡猾さが憎い。『聖なる鹿殺し』とはまた違った危険なキャラクター。ラストのダンスシーンで年間ベスト入りが確定した。