sugarspot

映画の感想つらつらと。

ラストに彼女が見たものとは『アリー スター誕生』

自分なりの解釈をここに記します。  

 

※ネタバレあり

 

A Star is Born
監督:ブラッドリー・クーパー/2018年/アメリ

 

この映画で私が語りたいのは何よりも最後のシーンだ。

 

天を仰ぎカメラと視線が重なるアリー。賞賛を浴びているようにも天国のジャックを見上げているようにも見える。 そして現れる「Directed by Bradley Cooper」の文字。これを見た瞬間私は膝から崩れ落ちた。

 

繰り返しになるがこのシーンでアリーはカメラと目線を合わせる。そして、そのカメラの向こうにいるのは紛れもなく監督であり主演のブラッドリー・クーパーだ。つまりガガとブラッドリーはカメラを介して見つめ合っているのである。

 

短い生涯を終え旅立った有名ミュージシャンのジャックと才能を開花させる新人アーティストのアリー。一足早く舞台上から身を引いた名優ブラッドリーと俳優として初演技に臨むガガ。作品内のキャラクターと演者同士の関係性が見事に一致している。格好つかぬまま早々と舞台から降り、俳優としての才能を萌芽させるガガに映画のクライマックスを託し、見守る。そんなブラッドリーの姿が何よりもドラマチックだと感じる。無言の眼差しと最後のたった数語にそんな物語が込められているのではないかと考えた。


www.youtube.com